必要なのは評価ではなく「判定」| 実力主義の真実
- やま
- 2024年10月1日
- 読了時間: 4分
更新日:5月9日

<執筆者プロフィール>
こんにちは、代表のやまです。十数年、組織マネジメントに携わってきた経験から、社内制度を作る際のコツなどを共有しています。もしよければ、ご参考下さい。
●判定という名の実力主義
さて、ここまでに、評価制度や部下のマネジメントが必要になるのは、”役割を明確に分配できていないから”ということが分かりました。
(詳細は、前回の記事を参照ください)
では、役割を明確に分配するにはどうすればよいのでしょうか?その究極の答えは、
・△△円払うから○○をしてくれ
という契約でつながることです。
これは、いわゆる「実力主義」と呼ばれるものなのですが、今や、スポーツ、芸能、音楽などの世界では当たり前となっています。
この実力主義を導入するだけで、評価制度や部下のマネジメントなどというムダな作業がなくなります。野球選手や俳優の評価制度なんて聞いたことないですよね(笑)
(もちろん、お客さんによる評価はありますが、それはモノやコトに対して下されているのであって、ヒトを評価することとは全く別の話です。)
●アメリカが強い理由
では、この実力主義、会社でもできないの?と思ってしまうのですが、こと日本の会社では難しいでしょう。と言うのも、「○○できなかったから」と判定されたとしても、簡単に解雇されることはないからです。
一方、アメリカ(実力主義と言われる国の一例として)では、特段の理由なく解雇されてしまうこともあるようですが、成績の低いものから解雇というのはよく聞く話です。まさに「打てなかったから」「売れなかったから」というスポーツや芸能の世界そのものです。
そのため、アイドルなどがオーディションを受けるのと同じように、社員であっても自分のPRがうまくないと生活が立ち行かなくなってしまいます。だから、海外の方は、個人主義にならざるを得ないのかもしれません。
*これはアメリカ人の知人による一例で、実際のアメリカの雇用環境は自分で調べてみてください。
ですが、そうして、役割が明確に分配されているからこそ、例えば、手持ちぶさたの社員が現れて、労働生産性が悪くなるなどといったことがなく、成長し続けられるのだと思います。
その証拠に、こと日本でも、スポーツや芸能は、諸外国に負けていません。きっと、マスとしての生産性がよくなり、さらに、人材の循環で新たな風が吹き、ニーズキャッチが上手くいくのでしょう。
●実力主義の真実
ところで、実力主義と言っても、実際は実力がつくまで、支えてくれる親やサポーターがいるから成り立つことなのです。
例えば、小さな頃から、野球やダンスを習わせてくれたり、大学に行かせてもらってインターンできたりするから、成り立つのです。狩りができるようになるまで、親が獲物を獲ってきてくれる動物と同じシステムです。
一方で、日本の社員について考えてみてください。大学では勉学だけ習って、いわゆる狩りの仕方は会社に入ってから習うシステムです。
この場合、実力主義を採用しようと思っても、現実は中々難しいところがあります。それどころか、「育てた」と思ったら、出ていかれてしまい、その上、評価制度や部下のマネジメントというムダな改善までさせられてしまいかねません..
とんでもなく非効率ですよね。わざとそうしているのでしょうか?(笑)
正直なところ、日本のルール下では、経済がこれ以上成長することはなく、いかに、現状をキープするかが、今後、大切になってきそうです。
(個人的には、貧乏でもいいじゃんと思っているタイプなのですが、経済力が今や国の防衛力となっている部分もありますので、難しいところです...)
少し長くなってしまいましたが、もはや会社で人を育てるのであれば、そのまま活躍してもらった方が、ムダがないことは明白です。ただ、そのまま活躍してもらうには、社員の方にも、仕事に対する理解を深めてもらう必要があり、この辺りをどうしていくかが今後の課題になるでしょうか。
今回は、ここまでです。
では、また、次回お会いしましょう!
*当社では、社員の方が気軽に相談できる「社内よろず相談所」を請け負っています。ぜひ、そちらのチェックもお願いいたします。#実力主義の真実